日本女子フットサルリーグ 2020-2021 オフィシャルガイド
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今季から11チーム体制に拡大し、さらなる競技力の向上や発展を目指す日本女子フットサルリーグ。今後の女子フットサル界の展望や期待することについて、木暮賢一郎フットサル日本女子代表監督に話を聞いた。日本女子フットサルリーグへの期待と魅力―7月に予定されていたAFC女子フットサル選手権大会(以下、 AFC)が延期となりましたが、今後のフットサル日本女子代表の展望や、延期となっている同大会への思いを教えてください。日本の女子フットサルの歴史上、アジアインドア・マーシャルアーツゲームズ(アジア室内競技大会)での優勝経験はありますが、AFCが開催されるようになってから、同大会で優勝したことはありません。2018年のAFC決勝でイランに敗れてから「2020年には必ずタイトルを取る」ということを目標に準備を進めてきました。ユースオリンピックフットサルトーナメントで若い選手(U︲18フットサル日本女子代表)が国際レベルの大会を経験をしたり、1年に1回はそのようなレベルの高い試合を経験できるよう、ポルトガル、スペインというヨーロッパのNO.1、2を争う二カ国と国際親善試合を行ったり、新しい選手を何人も招集したり、そういった準備を通して2020年のAFCに臨む、という思いを持っていました。しかし、延期に関しては、生命、健康が何よりも大切なことなので、仕方がありません。現状では、延期後の具体的な日程は発表されていませんが、いつ大会が行われてもいいように、これまで行ってきた準備を継続していくことが全てだと思っています。―20202021シーズンの日本女子フットサルリーグ(以下、女子Fリーグ)は、新たに3チームが加わり、11チーム体制へと拡大しました。女子Fリーグに望むもの、期待している点を教えてください。女子Fリーグや各地域リーグに所属するチームでの選手の木暮賢一郎フットサル日本女子代表監督インタビュー         (インタビュー:権東しょうこ/写真:JFA)活躍やパフォーマンスは、代表チームと深い関わりがあります。個人の活躍だけではなく、各チームがレベルの高いゲームを行うことで、競争力もついていきます。自国リーグでの競争が、アジアで戦う上でのキーポイントになることは、間違いないと思っています。当然、私は代表チームの監督として、自身の責任で戦術や戦略、メンバー選考の最後の決定を行いますが、その前提として、チームでの活躍やリーグでの競争力は必要不可欠です。毎節行われる緊張感のあるハイレベルな戦いを通し、これまでに招集歴のある選手のパフォーマンスだけでなく、新しい選手の活躍を期待しています。ラージリストと呼ばれるフットサル日本女子代表候補の大枠に色々な選手が入り、その中での競争を勝ち抜いた選手たちでAFCに臨むことが、自然の流れだと思っています。チーム数、試合数が増えたことで、さらなる競争が生まれることを楽しみにしています。―改めて木暮監督が思う、女子フットサルの魅力を教えてください。フットサルは当然、男女で同じ競技ですが、女子フットサルのおもしろさは、各チームが行おうとしているものを選手が信じて、体現しようとするマインドが強くあることだと思います。スピードやパワーは男子と異なりますが、フットサルという競技の戦術的な側面では、女子Fリーグの選手たちは進化しています。男性、女性に関わらず、指導者や選手が見ても参考になるような戦術的な部分や再現性の高さは、女子フットサルの特徴だと思っています。また、恵まれた環境ではない中でも、仲間と共に闘うことやフットサルというスポーツを楽しんで、笑顔でプレーしている選手たちの集まりなので、そういった純粋さはピッチで表れると思います。技術、戦術に加え、彼女たちのマインドが伝わるような好ゲームがたくさんあり、そういったところも魅力のひとつですね。‐1979年11月11日、神奈川県生まれ。元・フットサル日本代表。日本人選手として初めて、フットサル・スペインリーグでプレー。AFCフットサル選手権大会出場10回。FIFAフットサルW杯出場3回。アジア年間最優秀選手受賞。AFCフットサル選手権大会MVPに2度選出されるなど、長年にわたり日本フットサル界を牽引してきた。日本フットサルリーグでは2008シーズンから名古屋オーシャンズに所属。2012シーズンで現役を引退し、FリーグU-23選抜監督、シュライカー大阪監督を歴任。2018年からフットサル日本代表コーチ、フットサル日本女子代表監督を務める。WOMEN'S F.LEAGUE 2020-2021 14木暮 賢一郎(こぐれ・けんいちろう)INTERVIEW

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